俺にバーボンをくれ/ジョージ T スタッグ Jr バッファロートレース

俺にスコッチをくれじゃありません・・・バーボンをくれ。
少し前までスコッチじゃなくてバーボン好きでした。

貧乏学生だった頃を引きづって、いい年こいてもフォアローゼスやJTSブラウン、イエローローズなど比較的安いものが好きでした。

レア・パーフェクションなども美味しかったしそんなに高くなかったよ。

で、今は嫌いになった訳ではなく、好きなんです。そもそも嫌いな酒などない。
スコッチの奥行きがありすぎて今はここにどっぷりハマってしまっただけ。

これは、そんな貧乏バーボン好きが何かの勘違いで昔に飲んだもの

その時はJrではなくノーマルのジョージ T スタッグだった。
何やらめちゃくちゃ高級なものだそうで、その時の印象が忘れられないのでした。

もはやバーボンではない。異様に艶々したフルーティーなブランデーのような印象でした。

その名残を味わいたくて、こちらに浮気してみました。

あまりに高級なジョージ T スタッグを少し手軽に楽しめるのがコンセプトらしく、アホみたいに高い値段ではないらしい。そして激レアでもないらしい。

加水調整なし、ノンフィルターでボトリングされる「スタッグJr.」はバッチ毎に度数が異なるので、リリース毎に違った特徴を楽しめるそうでいただいたこれも64.8度
あれぇ、こんな味だったっけなぁ。Jrだから別物かな・・・

けれど、美味くないのではなく、こんなにも焦がした木樽の風味が強く、フルーティーではあってもレーズンぽい感じが強かったっけ?昔飲んだのはもっとパイナップルのようなトロピカーナな感じだったけどなぁ・・・

それにしても、濃厚でパワフルでパンチがあって、ゆっくり飲まないとノックアウトされてしまいそうな強い個性です。

バーボンの底力というか、もはやバーボンではない別のウィスキーを飲んでいるようでもあり、昨今のライトなバーボンやカナディアンとは一線を画す、別格の風格です。

チビチビチビチビ、ゆっくり味わってください。
それでもスパイシーで芳醇で強烈です。

そして自分は元のシングルモルトに戻るのでした。

ジョージTスタッグ

市場価格約3万円
あくまでも売り出し価格
年間300本程度の発売
出荷が少なすぎてまずなかなか見ることがない

毎年のアルコール度数
・2002年/68.8度
・2003年/71.35度
・2004年/65.9度
・2005年/ロットA=65.45度、ロットB=65.9度、秋物=70.6度
・2006年/70.3度
・2007年/72.4度
・2008年/70.9度
・2009年/70.7度

と、毎年標準40度、他社のカスクストレング(樽だし)60度を大幅に上回るものをリリースしている
だが同時に味も最高評価

ジョージ T スタッグはバッファロートレース社が毎年生産する超限定のバーボンウイスキーです。アメリカの『ウイスキー アドボケイト』誌でアメリカン・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー2002を受賞し、評論家のジム・マーレイはどのウイスキーよりも高い97点をつけている。

特出すべきはその製法

現在、バッファロー・トレース社は栄えあるジョージ・T・スタッグを冠する、最高のバーボンを
創造する為、最高のテースティングチーム(長年の知識と経験を持つ同社の退職者3名と現在の社長以下
各部門の最高責任者4名で構成)を結成。
同社の数え切れない樽の中から選びぬかれた、熟成年数の異なる最高のサンプルを16種選び
テイスティングした結果、アメリカン・オークよりフレンチ・オークで熟成したもの、木目の詰んだ
材質の樽で熟成したものが高い評価を得た。そしてその条件に適合した1樽が選ばれ15年物の
フィルター処理を施されて居ない最高のバーボンが誕生したのである。

バーボンの生き字引により選び抜かれ
生産法もコストパフォーマンスよりも質を重視
その結果採用された古い思想がある

イーグルネスト=最高のバーボンは最高の場所に貯蔵する

イーグルネストは鷲の巣
鷲の巣といえば山の頂上
一番高いところにあるの
画像はスコッチ蒸留所のものだが
端っこの方が真ん中より風通しがいいのは一目瞭然

最高なんだから一番高い、そう天井近くだ!

これは古くからあるアメリカの考え方
天井付近は寒暖の差が激しく風通しが良いので早く熟成ができためであるが
酒自身の味がしっかりしていないとただの高アルコールになってしまうので大変難しい
なのでバーボンの生き字引が手間ひまかけて生産できるのが毎年300本程度なのである

度数70のインパクト

さらっと70%と書いているがこれが職人技なのである
バーボンの原酒となる蒸留酒(この時点では無色透明)を製造する。こうして作られた無色透明の蒸留酒を、その後アルコール度数62.5%(125プルーフ)以下に加水して調整し、内側を焼き焦がしたホワイトオーク製の新樽に詰め、2年以上貯蔵することによって熟成を行う。

スコットランドよりケンタッキーの方が遥かに寒暖の差がある
この適切な温度・湿度変化範囲内ではないかもしれないがこの激しい変化が常識では考えられないものを産む

常に移動の繰り返し

最上だけが最高でなく
季節によって最高の場所に移動させることによってスコッチでは不可能な度数を造り上げた

著者について: yipman 認証されたアイコン2
香港の中国武術家。詠春拳葉問派宗師。

参加無料

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潰れたバー今ただの隠れ家

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