俺の名前はキルホーマン

俺はこのサイトの主じゃない。ただの客だ。バーボンをこよなく愛す。

なのに、なんだ、この店は、スコッチだらけじゃないか?

バーボンよりもスコッチを語るマスターの笑顔が憎い。

仕方なく種類豊富なスコッチをチビチビたしなんでみると

「アードベック?なんじゃこらぁ、重篤患者のいる病院みたいな味じゃないか」
「ラフロイグ?これまた病院じゃ、正露丸かハイターか・・・」

でも待てよ、慣れてくるとこっちの病院には美人ナースが出てきそうな気品が・・・

そんな感じでまだ好きかというと微妙だが、妙に気になる、クセになる女だな、スコッチって奴は。
嗜好はどっぷり男向けでこれを好む女は貴重だとおもうけど・・・

「ピート?ふむふむ、でもそれはきっとただの泥ですな・・・」

 

などなど、多すぎて、深すぎて、理解できないスコッチワールドですが
そんな中で、ええやないか~な一品を見つけました。

 

それがキルホーマン

 

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創業2005年。アイラ島に124年ぶりに誕生した蒸溜所。
スコットランド最西のキルホーマン蒸溜所は19世紀のアイラ島では一般的であったファームディスティラリー(農場蒸溜所)で、使用するモルトの一部を自社の畑で栽培しています。使用するピートももちろんアイラ島産でフェノール値は50ppmと非常にピーティです。蒸溜器は初溜2700L、再溜1500Lと非常に小さく、年間生産量はわずか9万Lほどです。2009年にシングルモルトが初めてリリースされました。
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ふーん、歴史を重んじるスコッチにあって、新進気鋭のブランドなんだなぁ。
創業者は変態か?

が、味は極めてニュートラルでクセもなく旨い、深い気がする。
これを自分の中のスコッチのベースにしてみようかとおもえるほどになりました。

 

といっても、まだ4種くらいしか飲んでないので
新進気鋭といっても種類がたくさんあって追いつきません。
というか、置いてる店も少ないです。

 

おーい、全部といわずとも、色々飲める店があったら諭吉さん出しても飲み比べしてみたいですよ、キルホーマン。

これから時間をかけて、付き合ってみましょか・・・

キルホーマン

すみましぇーん、ジンビーム、コーラ割で!

東京、銀座のとあるバー、時間を持て余していた俺は、ちょっと一杯のつもりのワイルド・ターキー3杯目を頼んでいた。客は俺一人、一見である俺とマスターの会話もはずまない。しかしそんな事は気にしない。

「マスター、このお店は何年目、随分雰囲気あるね」
「いえいえ、まだ5年目なんですよ、安普請なんでボロいだけですよ」

こんな店に銀座が似合う女がひょっこり一人で現れないものなのか・・・
俺の乾いた心と時間を癒しておくれ。

しかし期待に反し、20代とおもわれる若い男が一人入って来た。
さすがは銀座、いや、やや背伸びしているであろう、似合わぬトレンチコートにハットとめかしこんでいる。
都会に憧れた田舎野郎に違いない。

バックバーをひととおり眺め、さらにはメニューに丹念に目を通し

こんなにキザに決めた男はさぞやクールな酒を頼むのだろうな、俺みたいな下品な飲み方はせぬのだろう。

するとキンキンのハイトーンで

「すみましぇーん、ジンビーム、コーラ割で!」

こんな事ばかりである。
バーに外人が来るだけでケツが締まる想いがするが、そういう輩にかぎってジンビームやら「ザ・レミー=ジャックコーク」なんだ。

世間などそんなものだろう。酒は構えて飲むもんじゃない。好きなものを飲めばいい。

しかしだ、もっと旨い酒があるだろう、好きなら知りたくなるはずじゃないのか。

そんな世の中を下を向いて謙虚に生きながら、俺、やっぱり最後はアイラモルトで締めたくなってきたよ。

俺にスコッチをくれないか?

ベンリアック ピーテッドカスクストレングス
密かに愛し、マイボトルと認定し少しづつたしなんでいたある日
空っぽになってました。

この店には残り少ないボトルをやっつける事を楽しみにしている常連がいる。
あいつの仕業だ。

この店の特徴はレアなスコッチを毎週入荷し、横浜一、いや恐らく日本一安く飲ませてくれるところだが、なくなると同じものの再入荷はめったにない。今度またいつ飲めることやら。

個人的な感想はうーん、強いピート感の中にも飲みやすさと奥深さがあって男前だけど上品な感じが気に入りました。
香りだけじゃなく飲んだ後の深い味わいと広がりが裏切らない感じ・・・

香りだけやん
香りと味にギャップがあるやん

というスコッチもある気がする中でこれは秀逸でした。