雑記 ローランド ブレンデッド&ボトラー

薄幸美人/ベリーブラザーズ&ラッド ベリーズ・オウン・セレクション ブラッドノック18年

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一番存在感の薄いローランドの中でももっとも知名度が低いのがここでしょう。知識としては知っていたが飲んだことなかったのでチャレンジ。

ブラドノック蒸留所は1817年に設立されました。ローランド地方はウイスキー産業の一大地域でしたが、時代が移り変わる中で徐々に衰退してしまいました。このブラドノック蒸留所も1993年には一時閉鎖、解体の危機を迎えたのですが、これを買い取ったのがアームストロング氏です。
現オーナーのレイモンド・アームストロング氏はそもそも、ウイスキーのディスティラーではありません。彼は建築家で、この閉鎖寸前の蒸留所を自分の別荘に改築するつもりで買収に名乗りを上げたに過ぎないのです。
もちろん、彼はウイスキーを作るつもりはありませんでした。しかしながら、この小さな田舎町でウイスキーの蒸留所がなくなってしまうことを危惧した彼は、少量のウイスキーを作れるように前所有者に掛け合います。これを訪問者に売ることを提案したのです。アームストロング氏は蒸留所の一部を解放して、コミュニティ・センターやウイスキー・スクールを開いています。この新たな試みが、新しいブラドノックの名前を世界に広めたのです。
また、新たな生産が始まったのは2000年で、それまで使っていなかったシェリー樽も使うようになりました。もともとのブラドノックらしい甘く爽やかな味に、シェリーの香りがほどよく合わさり、新しい味わいも楽しめるようになりました。

年間わずか10万リットルしか作れないブラドノック。一時は世界から姿を消しかけたこの素晴らしいウイスキーは、新たな側面を持ちながら復活を遂げました。まさに奇跡だといっていいでしょう。
濃密でありながら爽やかで、癖がなくバランスが取れているため、ウイスキーの初心者でも手をつけやすいものになっています。

これは、そのうちなくなるんじゃないかな、閉鎖蒸留所候補では?
このボトラーズもはじめてだ。

ベリー・ブラザーズ&ラッドは、英国最古のワイン&スピリッツ商であり、創業以来300年以上もの間、同じ店舗で営業を続けています。その歴史は、ボーン未亡人によって、ロンドンのセント・ジェームス宮殿の向かい、セント・ジェームス街3番地にて始まりました。食品、異国の香辛料、紅茶やコーヒーの販売に始まり、ファインワインやスコッチウィスキーを手がけるに至りました。
ベリー・ブラザーズ&ラッドが初めて英国王室にワインをお届けしたのは、ジョージ3世時代にさかのぼり、そして今に続いています。最初の王室御用達指定を賜ったのは、1903年のエドワード7世の頃で、現在は、エリザベス女王陛下とチャールズ皇太子殿下からそれぞれ御用達指定を受けています。

英国王室御用達指定とのことでなんとも上品すぎて個性のないラベルだこと
ここに残しておかないと忘れてしまいそうだ。

そして肝心の内容は

やはりローランドはしっかり自己主張しているなぁ。
コッパー色に輝くそのお酒は、よく言えば華やかで優しい。悪く言えば味が薄い。しかし薄い分、香りが引き立つというか、大麦や樽のニュアンスを繊細に伝えてくれます。シェリーフィニッシュとかにしてしまえばシェリーが引き立つんだろうが、あえてそれをしない事でウィスキー本来の香りと旨味が優しく、ジンワリ広がっていきます。

と、教科書のような感想になってしまったが、どことも違うローランドの特徴がとてもよく出ておりました。もの足りないという意見が多く出そうですが、それは、アイラのピートやシェリーやワインに毒されているだけであります。

ゆっくり、よーく味わうと上品なエキスのオンパレードです。
レモン、リンゴ、干し草・・・うーん、繊細でさわやかなんです、とっても。

これは、薄幸そうな美人と例えましょう。

貴重なブラッドノックを飲んだという記憶に思いをはせ、亡きローズバンクの面影をみる・・・

あの薄幸そうな女の子、今幸せに暮らしているだろうか・・・
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?

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イップマン

イップマン

ある店の店主と客に書いてもらうはずのブログでしたが、諸事情あり今は客であった自分の備忘録となる。俺のスコッチを飲みに来てくれ!

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