ディアジオ社が所有する蒸留所の中でもモートラック蒸留所はディアジオの異端児として知られている。
異端児と呼ばれるその理由は複雑な蒸留システムにある。
6基のポットスチルがあるが、形もサイズもそれぞれバラバラで、しかも通常の2回蒸留だけではなく、6基ある蒸留器の1基を使い、モロミの一部を3回蒸留し、通常よりも高い度数のスピリッツを採りだしている。
この蒸留器に「ウィー・ウィッチー(可愛い魔女)」というニックネームが付けられていて、職人たちはその蒸留器が「肉系のやや硫黄分に富む、リッチなフレーバーを生み出している」という。
モートラック蒸留所のポットスチル6基が形もサイズもバラバラであることと、ウィー・ウィッチと呼ばれるポットスチルでの3回目の蒸留。モートラック独自の蒸留システムは複雑で、説明を聞いても理解することは難しく、蒸留所で働く職人たちは理解するのに半年以上かかるといわれている。
だからこそディアジオの異端児と呼ばれているのである。
いきなり解説から入ったが、かつて飲んだモートラックは異端児でも魔女でもなく、落ち着いた優しい味わいだった。だから「名前負け」な印象でその後疎遠になった。
しかしまた、こんなのあるよ、と出された「モートラック 16年 UD花と動物シリーズ」は私にとって異端児ではなかったが、十分に「可愛い魔女」であった。
これは今は高いだろうなぁ、もう手に入らない「花と動物シリーズ」の中でもレアな部類だとおもうが、持ってる人は持っている。
初見の方になんでレアかを一応説明しておくと、昔限定で発売しただけで今製造してるものじゃないからです。
飲みつくされてしまえばそれでさよならです。(だから投機目的になるが、値段相応に美味いかは人それぞれっす)
私が店をやるならこの「花と動物シリーズ」は多めに揃えたいとおもっている、とはこのブログで昔書いたけど、最近益々レアで貴重だ。お酒としてはディアジオの入門編で、スコットランド各地の個性を表現した優しい味わいのものが多いと記憶しているが、このモートラックは43度加水とはおもえないほど深く濃厚なシェリーの味わいでまろやかで優雅な魔女なのであった。
少なくとも私が飲んだ「モートラック」の中では断トツのナンバーワンである。
まだこれが残っていることに幸せを感じながら時々チビチビしたいものだ。
★★★コクと長い余韻を持った厚みのある希少モルト・モートラック★★★
モートラック蒸留所は、スペイサイドのダラン川とフィディック川が合流する落合に1823年に建てられた。 “モートラック”とは“椀状のくぼ地”のこと。同蒸留所の原酒はジョニーウォーカーの原酒モルトとなっている。
職人でも理解に半年はかかるといわれる異端児的な蒸留所モートラック,ポットスチルに魔女が住むともいわれる個性的な1本。UD系列の蒸留所にとっては貴重なオフィシャルスタンダードともなる”花と動物”シリーズ。ウイスキー業界のトレンドに由来し、市場流通も年々現象の一途。今後は更なる枯渇・値上がりで以前ほど簡単に手に入らないボトルとなるでしょう。オフィシャルリリースでは希少なモートラック、職人でも理解に半年はかかるといわれ、ベンリネス同様「ディアジオの異端児」と形容されます。チョコレート、ラム酒系の甘さ。豊かでバランスのよい香り。芳醇でビック、コクがある。まろやかで美味。深く厚みがあり、長い余韻。
参加無料
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