すみましぇーん、ジンビーム、コーラ割で!

東京、銀座のとあるバー、時間を持て余していた俺は、ちょっと一杯のつもりのワイルド・ターキー3杯目を頼んでいた。客は俺一人、一見である俺とマスターの会話もはずまない。しかしそんな事は気にしない。

「マスター、このお店は何年目、随分雰囲気あるね」
「いえいえ、まだ5年目なんですよ、安普請なんでボロいだけですよ」

こんな店に銀座が似合う女がひょっこり一人で現れないものなのか・・・
俺の乾いた心と時間を癒しておくれ。

しかし期待に反し、20代とおもわれる若い男が一人入って来た。
さすがは銀座、いや、やや背伸びしているであろう、似合わぬトレンチコートにハットとめかしこんでいる。
都会に憧れた田舎野郎に違いない。

バックバーをひととおり眺め、さらにはメニューに丹念に目を通し

こんなにキザに決めた男はさぞやクールな酒を頼むのだろうな、俺みたいな下品な飲み方はせぬのだろう。

するとキンキンのハイトーンで

「すみましぇーん、ジンビーム、コーラ割で!」

こんな事ばかりである。
バーに外人が来るだけでケツが締まる想いがするが、そういう輩にかぎってジンビームやら「ザ・レミー=ジャックコーク」なんだ。

世間などそんなものだろう。酒は構えて飲むもんじゃない。好きなものを飲めばいい。

しかしだ、もっと旨い酒があるだろう、好きなら知りたくなるはずじゃないのか。

そんな世の中を下を向いて謙虚に生きながら、俺、やっぱり最後はアイラモルトで締めたくなってきたよ。

俺にスコッチをくれないか?

ベンリアック ピーテッドカスクストレングス
密かに愛し、マイボトルと認定し少しづつたしなんでいたある日
空っぽになってました。

この店には残り少ないボトルをやっつける事を楽しみにしている常連がいる。
あいつの仕業だ。

この店の特徴はレアなスコッチを毎週入荷し、横浜一、いや恐らく日本一安く飲ませてくれるところだが、なくなると同じものの再入荷はめったにない。今度またいつ飲めることやら。

個人的な感想はうーん、強いピート感の中にも飲みやすさと奥深さがあって男前だけど上品な感じが気に入りました。
香りだけじゃなく飲んだ後の深い味わいと広がりが裏切らない感じ・・・

香りだけやん
香りと味にギャップがあるやん

というスコッチもある気がする中でこれは秀逸でした。